空・殻・核 (くうからかく)

クロノスとカイロスの狭間を転がる

2.2019年はどんな年か?

きょうは2019年の1月31日だ。どうしても、1月中にこのブログを始めたかったのには、私なりの理由がある。「1年の計は元旦にあり」などと言われるが、元旦が無理ならせめて1月が終わり切る前に「書き始める」という行為をしたかったわけだ。というわけで、書き始めたのだが、今年はいろいろな意味で、一つの区切りを迎える年なのかもしれない。来年2020年は日本で2回目のオリンピック(五輪)が開催されるが、その前の年である今年2019年は今の天皇陛下生前退位されて、5月1日から新しい元号になるという。和暦が更新されるということだ。

 

12年で1周するという「干支」の話で言えば、2008年に「子」(ね)の年として始まったこの12年のサイクル(周期)は、2020年でちょうど12年がめぐって新しいサイクルに入る。つまり、今年2019年から2020年は、新しいサイクルへと「めくられる」1年だと言える。「巡る」(めぐる)は「捲る」(めくる)の意味も持っていて、平板に回っていた一つの周期を終えて、次の新しい平面へと階層を移すような感じに思える。このとき、わざとらしくなく、まるで自然の風の悪戯のように、ひらりと、フリルのスカートが一瞬ふわりとめくれたかのように波打ち、それをたまたま目撃した視線をドキドキさせるような、そんなある種メビウスの帯の表と裏がなめらかに反転する現場こそ、その「メクレ」である。それが「干支」の12年から次の12年に移行する1年ではないかというわけだ。

 

人間はふつう毎日寝ては起き、寝ては起きるといった感じで、1日1日をほぼ同じような周期で動いていることが多い。それが365日降り積もって1年をなし、その1年もまた毎年大体同じような過ごし方を、服装だとか食べ物といったものは季節的な観点からは繰り返しているように思えるし、契約の更新といった仕事上の手続きのようなものまでも大体同じように繰り返している気がする。そうした1日は、私たちが暮らす太陽系第3惑星の地球の自転周期に基づくものだし、1年もまた、その地球が太陽の周りを公転する公転周期に基づくものだ。つまり、地球の自転や公転といった1回転は、単純に私たちの生活のリズムを構成しているし、さらにそうした生活のリズムに従っている私たちの意識にまでたぶんに影響を及ぼしていると言える。

 

では、前述の干支はどうかと言うと、これは太陽に対する木星の公転周期11.86年に近似している。つまり、木星は約12年かけて太陽の周りを一周するが、干支はこの周期とシンクロ(同期)しているのだ。太陽系には現在、太陽に近いから、水・金・地・火・木・土・天・海の順で内側から外側へと並ぶ8個の惑星が発見されているが、内側からの順序で言えば、木星は第5惑星となり、火星と木星の間にはメイン・ベルトと呼ばれる小惑星帯がある。木星は「太陽になり損ねた惑星」だとも言われ、引き連れている衛星の大きさや数も多く、その構造からして、一種の「ミニ太陽系」だとも言われている。

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2008年からの干支1周12年

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円と双曲線のオイラーの公式

したがって、木星はかなりの重量級であり、この重さゆえに、太陽系全体の重心は太陽の中心ではなく、太陽の表面辺りにくるらしい。その太陽の表面には「黒点」と呼ばれる周囲の温度より低いものが、大体9.5年から12年ほどの周期で増減を繰り返しているという。これをかなり大雑把に木星の公転周期と太陽黒点の周期が等しいと考え、木星の公転周期に伴う重力場の変化のようなものが黒点として太陽の表面に生じているのだとしたら結構面白いとは思うのだが、そう単純なことでもないのかもしれない。

 

とにかくその12年周期の1回転が閉じようとする年が今年2019年であり、今年1年のうち、約1/3(120日)が経った日に、天皇生前退位が行われ、新天皇が即位されるため、新元号が制定される日は、結局1:2に内分する日になる。別の言い方をすれば、新元号となった8ヶ月に対して、今年の元日は、まだ平成である4ヶ月と、今年2019年の1年全体を、1:3に外分する点となる日であるとも言える。

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天皇即位日は2019年を1:2に内分する